プロジェクト概要
- クライアント
- rugoo
- プロジェクト
- rugoo ECグロース支援(Amazon・楽天のEC売上拡大)
- Industry|業界
- インテリア / EC
- Service|支援領域
- EC戦略 / データ分析 / 広告・販促 / SEO・商品ページ改善 / 新商品開発
- Period|支援期間
- 継続支援
- Team|eap担当
- 株式会社eap(EC Growth Partner)
確かな商品力とブランドを持ちながら、市場の成熟と競争激化のなかで従来の売り方では成長が伸び悩んでいた。Amazon・楽天それぞれの販売データが商品・広告・価格の意思決定に十分活かされておらず、何が成長を止めているのかをEC全体の構造から切り分けられていなかった。
施策を足す前に、Amazon・楽天双方の販売データを商品別・チャネル別・キーワード別に分解し、成長阻害要因を特定。モールごとの販売特性・広告特性に合わせて広告・価格・商品ページ・販促を設計し、ABテストと定例の数値レビューで検証して、次の施策と新商品開発に反映する運用へ組み替えた。
楽天では5月に前年同月比+5.1%、7月に+14.9%。Amazonでは5月に+174%、6月に+84%、7月に+50.25%と、両モールで確認できる各月の売上が前年同月を上回った。
商品もブランドもある。それでも、従来のやり方では成長が伸び悩んだ。
rugooは、ウッドカーペットやラグ・マットなど床まわりのインテリアを、楽天市場とAmazonを中心にECで展開するブランドです。数年にわたりEC事業を育て、洗えるシャギーラグ「ラッテ」をはじめとする売れ筋と、数多くの高評価レビューを積み上げてきました。自社デザイナーによる商品ページ制作や、ブランドの世界観づくりに取り組むチームも持ち、商品力とブランドに強みがあります。
ラグ・カーペット市場は、2020年の落ち込みから回復し、2023年には過去最高規模に達しました(出典:日本インテリア協会)。在宅時間の増加やインテリア需要の高まりが、市場全体を押し上げた時期です。しかしその後、需要が落ち着くと市場は成熟局面に入り、ECモール上では広告投資なしに売上を伸ばすことが難しい、競争の激しい環境へと変わっていきました。
こうした環境の変化のなかで、rugooの成長は次第に伸び悩んでいきました。rugoo側も手をこまねいていたわけではなく、商品開発やブランドの世界観づくり、広告・セールの運用など、事業を伸ばすための取り組みを続けていました。それでも、個別の改善を積み重ねるだけでは、事業全体の伸び悩みを大きく変えるには至りませんでした。
そこで必要だったのは、新しい施策をさらに追加することではなく、「そもそも、何が成長を止めているのか」を改めて構造的に分析することでした。eapは、広告やEC運用といった特定施策の支援ではなく、商品・顧客・チャネル・価格・広告・SEO・クリエイティブ・データを横断して、EC事業全体を見直すところから支援を開始しました。
長く成長を続けてきたEC事業が、市場環境の変化のなかで、成長モデルそのものの見直しを求められる ── eapが参画するまでの流れを、6つのフェーズで整理します。
施策を増やす前に、何が成長を止めているかを見極める。
ご相談の入り口は「楽天・Amazonの売上をもう一度伸ばしたい」でした。しかし本質的な課題は、広告費が足りないことでも、施策の数が少ないことでもありませんでした。
市場の追い風が弱まるなかで、これまでと同じ売り方では成長を再現しづらくなっていた。ブランド・商品・価格・広告・SEO・商品ページ ── それぞれの改善は進んでいたものの、どこが最大のボトルネックなのかを横断的に捉えられていない。新しい施策を足す前に、「何が成長を止めているのか」を構造的に切り分けることが、最初の仕事でした。
売上を分解し、仮説を立て、検証しながら伸ばす。
個別の改善を積み重ねても伸び悩みが変わらなかった ── だからこそeapは、施策を足す前に、EC事業全体を分解して「何が成長を止めているのか」を特定することから始めました。
いきなり広告費を積み増すのではなく、まず売上構造を分解して成長阻害要因を見極め、勝ち筋を仮説として施策に落とし、ABテストで検証し、その結果から次の一手を決める。この順番を徹底しました。楽天とAmazonは勝ち方が異なるため、チャネルごとに戦い方を分けて設計しています。
分析・戦略・実行・検証を、領域を分けずに。
eapが担ったのは「ECグロースの推進機能」です。広告運用の代行でも、レポートの作成代行でもなく、データ分析・戦略・実行・検証を一体で回し、rugooのEC事業を前に進める意思決定に関わりました。実際に手を動かした領域は、大きく次のように分かれます。
支援アウトプット
売上を分解し、勝ち筋を見極め、検証しながら伸ばす。
ここでは、実際のプロジェクトで作成した支援アウトプットの一部をご紹介しています。機密情報等を除き、公開用に再編集しています。
施策の結果を、次の仮説に変え続ける。
最初に立てた仮説が、すべて正解だったわけではありません。むしろこのプロジェクトの核は、施策の結果を毎回データで確かめ、それを次の仮説に変え続けたことにあります。うまくいった施策も、伸び悩んだ商品も、同じ土俵で「なぜそうなったか」を分解しました。
楽天でも、Amazonでも。売上の中身から変えた。
成果は、売上が何%伸びたかという一つの数字では語れません。rugooに起きた変化は、勘や経験に頼ったEC運営から、Amazon・楽天双方の販売データをもとに商品・価格・広告・販促を継続的に改善できる体制へ移行し、その結果として両モールで前年を上回る成長につながったことにあります。楽天とAmazonでは、支援前の課題も、効く施策も、変化の中身も異なります。ここでは、それぞれの変化と、両モールを横断して事業全体を見たからこそ得られた価値を整理します。
RPP広告とSEOの弱体化から、商品・価格・販促を含めた改善へ。売上は前年を上回る推移に転換した。
- RPP広告への投資が細り、楽天サーチやビッグワード経由の流入が大きく減少。CPCの高騰で費用対効果も合わなくなっていた
- 転換率が低く離脱の多い商品ページが多数あり、流入しても買われない状態
- 商品別・SKU別の売上と粗利、広告キーワード別の効率が分解されておらず、どの商品に投資すべきかが利益ベースで見えない
- セール・クーポン・広告は個別に実施され、効果を測る基準値がなかった
- 商品別・SKU別の月次売上と粗利上位商品を整理し、注力カテゴリの競合を分析。優先SKUを選定
- 売上を個数・アクセス・転換率・客単価に分解し、流入を店舗内・楽天サーチ・広告・外部に切り分けてアクセス減少の要因を特定
- 広告はRPP・TDA別にROAS・CPA・新規/既存比率を分解。商品ページは競合ベンチマークで課題を分解
- RPP広告を主軸に、キーワード設計と入札を見直し(複合ワードで実績を作り、ビッグワードの効率を上げる)
- 新規顧客の獲得効率が高いリターゲティング広告(TDA)を段階的に拡大
- スーパーセール・お買い物マラソンの対象商品選定と、クーポン・ポイント・レビュー特典の設計
- 買い手の心理順に商品ページを再構成し、サムネイル・商品ページのABテスト(Wave運用)で検証
- 利益を踏まえた価格設計(短期は比較対象に残る価格、中長期でブランド価値を価格に反映)と、売れ筋の学習を活かした新商品の投入
- 売上は、確認できる各月で前年同月を上回る推移に転換
- アクセスが前年を下回った月でも、転換率と客単価の改善で売上は前年超え。流入頼みではない成長の形に
- RPP広告のROASが改善し、広告費を積み増さずに伸ばす形に
- 既存商品の改善と新商品の投入を並行し、成長を再現できる運用へ
楽天とは別の診断から出発。Amazonの広告・セール・レビュー・物流の仕組みに沿って個別に設計し、継続的な成長につながった。
- 楽天に比べて売上規模が小さく、成長の余地はあるものの、何を優先して伸ばすかが定まっていなかった
- 広告はオートターゲティング中心で入札を抑えており、ビッグワードでの効率が低い。大型セールやプロモーションの活用余地が大きく残っていた
- タイトルの命名規則や商品紹介コンテンツ(A+)が未整備のSKUが残り、競合に比べてレビュー数も少なかった
- 主力カテゴリで自社のシェアや転換率をカテゴリ・ASIN単位で把握できていなかった
- 通年・月次実績を、メトリクス(閲覧数・転換率・平均単価)・カテゴリ・ASIN単位で分解
- 主力カテゴリの市場シェアを競合と比較し、落ち込みが市場要因か自社要因かを切り分け。競合が伸ばしている未展開領域を特定
- Amazon市場の価格帯別需要と競合ポジションを分析し、サイズ別の価格ラダーと値上げ余地を整理
- 販売手数料とFBAの費用構造を分析し、利益率の差分を販促原資に回す設計
- スポンサー広告を注力カテゴリに絞り、入札・予算配分をROAS基準で調整。オート配信で見つかったロングテールを手動運用へ移し、競合商品面にも配信
- 主要商品のタイトルを命名規則から再設計し、全SKUにA+を設定。ブランドストアや比較表で回遊を設計
- 大型セール(プライムデー等)のエントリーを拡大し、検索順位・レコメンド露出を階段状に底上げ
- 主力・新商品にレビュー獲得プログラムを活用し、新商品はFBA前提で立ち上げ
- 勝ち筋ASINへ広告・レビュー・トラフィックを集中。主力商品の価格・在庫・配送・バリエーションを点検し、商品構成を見直し
- 売上は5〜7月の各月で前年同月を大きく上回り、継続的な成長につながった
- 広告効率(ROAS)を改善しながら成長。新商品も広告経由の売上を担い始めた
- 主力カテゴリの落ち込みも、シェア分析で自社の販売機会損失と特定し、価格・在庫・配送・ページの点検と勝ち筋ASINへの集中につなげた
- 市場・競合・価格のデータをもとに、商品構成と広告の意思決定ができる状態になった
モール単体の運用代行ではなく、両モールのデータを比べながらEC事業全体を改善する。
同じ商品でも、楽天とAmazonでは競合の顔ぶれ、広告の効き方、手数料を含めた利益率が異なります。eapは両モールの販売データを同じ物差しで比較し、商品ページなどのクリエイティブ資産は共有しつつ、広告・SEO・セール・レビュー・物流の仕組みはモールごとに分けて設計しました。そこで得た学習を、次の商品づくりにも戻しています。
- 01楽天で伸びている商品を特定する
商品別の売上・粗利分析から、売れ筋と成長余地のある商品を洗い出す。
- 02Amazonでは競合状況・利益率が異なることを把握する
楽天はラグ、Amazonはウッドカーペットと主戦場の競合が違い、手数料を含めた利益率も異なる。
- 03両モールのデータを同じ物差しで比較する
内部SKUでAmazonのASINと楽天の商品番号を名寄せし、「楽天で売れてAmazonで弱い商品」やその逆を可視化する。
- 04広告・価格・商品構成をモールごとに最適化する
楽天はRPP・TDA・セール・クーポン、Amazonはスポンサー広告・A+・大型セール・レビュー・FBAと、勝ち方を分けて設計する。
- 05得られたデータを新商品開発へ活かす
市場分析で見つけた未展開領域、新商品の立ち上がり実績、売れ筋の訴求軸を、次の商品企画・価格・立ち上げ設計に還流する。
- Amazon・楽天それぞれのデータが、意思決定に十分活用されていない
- 広告・セールを個別に実施し、効果を測る基準値がない
- どの商品・どの経路で勝っているかが、利益ベースで見えない
- 商品別の売上・利益分析から課題を特定
- モールごとに広告・価格・商品ページ・販促を設計
- ABテストと定例の数値レビューで検証し、次の施策へ
- 楽天・Amazonとも、確認できる各月で前年超えを継続
- 広告依存ではなく、転換率・客単価・広告効率を含めた質の改善
- 分析結果を新商品開発にも活用し、事業全体の成長へ
- PRODUCT ── 既存商品で得た「売れる理由」の学習と、両モールの市場データを新商品の企画・立ち上げ設計へ還流。市場データを商品づくりに戻す、プロダクトアウトからマーケットインへの流れをつくった。
- うまくいかない施策も、学びに変える。新商品向けのクーポンが反応しなかった局面では、原因を「配信数・商品の特徴・値引き率」に分解し、次の立ち上げ施策の設計へ反映した。
お客様の声
「施策の一つひとつを、「なぜ売れたか」「次に何を直すか」まで一緒に見てもらえるようになりました。」
以前は、広告やセールなど個別の施策は実施していても、「なぜ売れたのか」「次にどこを改善すべきか」までは十分に整理できていませんでした。
eapさんに入っていただいてからは、楽天・Amazonの数字を商品別・チャネル別に見ながら、SEO・広告・商品ページ・価格などを一つずつ検証して進める形に変わりました。
施策を提案してもらうだけでなく、結果を振り返って次のアクションまで一緒に決めてもらえるので、EC運営そのものの考え方が変わったと感じています。既存商品の改善で得た学びを、新商品の立ち上げにも活かせるようになってきたことも、大きな変化です。
毎回データを見て、次に何をやるかを一緒に決める。
毎回データを見て、次の一手を決める
rugooの支援でeapが大事にしたのは、施策を打つこと自体ではなく、毎回データを見て「次に何をやるか」を一緒に決めることでした。どの商品を優先SKUにするか、どの商品をテストするか、広告をどこへ配分するか、売れない商品の原因をどう分解するか ── 隔週の定例と週次のレポートで、判断の材料をそろえ続けました。
特定の施策の専門会社としてではなく、「この事業を次に進めるために、いま何を見て、何を決めるべきか」を起点に、分析・戦略・実行・検証を組み替えていったことが、このプロジェクトの特徴です。
うまくいかない施策から学ぶ
すべての施策が当たるわけではありません。主力商品の売上が落ちた局面でも、「市場が悪いのか、自社側の問題か」を、閲覧数・転換率・カテゴリ・商品単位まで分解して切り分けました。原因が価格・在庫・配送・ページのどこにあるかを特定し、CVRの復旧や勝ち筋SKUへの集中といった次の打ち手に接続する ── 失敗を、次の仮説に変えることを繰り返しました。
広告を増やす前に、売れる構造をつくる
広告費を積み増せば一時的に売上は動きます。しかしそれだけでは、費用が止まれば売上も止まります。eapが優先したのは、まず商品ページのCVRを上げ、レビューと実績を貯めてページの評価を高め、自然検索やモール内の露出が広がる状態をつくること。広告は「露出をつくる装置」として使い、CTR・CVR・レビュー率の改善で費用対効果を高める設計にしました。
支援体制
rugooの支援は、特定の担当者一人の成果ではなく、株式会社eapとしてのチーム支援です。ECプラットフォーム(楽天・Amazon)の運用知見、データ分析、戦略設計、広告運用、クリエイティブ、プロジェクトマネジメントを組み合わせ、rugooのEC事業を一体で前に進めています。
今後の展望
現在は、ブランド価値を価格に反映させる価格戦略の段階的な実行、商品ページとABテストによる継続的なCVR改善、そして高付加価値ゾーンの新商品立ち上げを軸に、EC全体の底上げを進めています。楽天のアクセス数の回復は継続課題であり、広告・SEO・セールの流入設計を引き続き改善しています。既存商品で得た学習を新商品の開発・立ち上げへ戻す、マーケットイン型の商品づくりも継続テーマです。
あわせて、Amazon・楽天に続く販売チャネルの拡張も検討段階にあります。いずれも、その時々のデータにもとづいて優先順位を判断しながら、rugoo自身がデータで意思決定できる状態を土台に、継続的に事業を伸ばしていきます。




